円周上に並ぶ棟持柱付大型建物
楼観を中心に半径110mほどの円を描くと、その円周上に大型建物が並んでくることが最近の調査によってわかってきました。これらの建物は、棟持柱が建物の外側に離れた位置にあるもので、独立棟持柱付大型建物と呼ばれるものです。
現在の伊勢神宮本殿に見られる神明造りと呼ぶ建築様式に似ていて、祭りなどを行った祭殿ではないかと考えられます。1間×5間(4.5m×9m)床面積は約40平方メートルの大きさで、柱の配置や規模の点でも6棟とも一致する建物郡です。現在までに伊勢町側に2棟、阿村町側に4棟見つかっていて、それぞれの建物の棟持柱間の距離は18.4mと等間隔に配置されていることがわかりました。隣り合う建物の棟の方向は4〜7度内側に屈折して配置されていて、円周上に並んでいます。角度や距離を測る技術にもとづいた計画的な配置をとっており、国内の弥生遺跡には例が見られません。
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