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塚之越遺跡

説明文塚之越遺跡と下長遺跡調査地全体図
SX-1平面図SX-2平面図SX-3平面図琴柱形石製品資料

塚之越(つかのこし)遺跡現地説明会資料
2003・7・26
守山市教育委員会

 塚之越遺跡は縄文時代から中世にかけての複合遺跡として知られています。特に弥生時代後期から古墳時代前期にかけて方形周溝墓や前方後方周溝墓などが築かれ、古墳時代前期末〜中期初頭にかけては方墳が作られており、大規模な墓域を形成していることがわかってきました。隣接する下長遺跡では古墳時代前期に大型掘立柱建物や祭殿がつくられるほか掘立柱建物も数多く検出されており、大集落が形成されています。塚之越遺跡はこの下長遺跡の墓域であったと考えられます。今回の調査では4世紀末から5世紀初頭の方墳が初めて確認されました。下長遺跡に住まいした有力者の墓ではないかとみられます。各方墳の周清からは鉄製工具や装身具など特徴的な遺物が出土していて、被葬者像を伺うことができます。

検出遺構と出土遺物

掘立柱建物(SB−1) 調査区東側で2間×3間の建物跡が発見されました。建物の北東側には小さな溝が検出されていて屋敷内部を区画する溝と思われます。その外側には井戸と見られる大きな穴が発見されています。出土した土器片から鎌倉時代の建物と推定されます。

方墳
SX−1 調査区南東側で検出しました。長径19m、短径13.6mの長方形をした方墳です。まわりには濠が掘られていて、東西辺の濠は幅約5m、深さ約80cm、南北辺の濠は幅約1m、深さ20〜60cmを測ります。周濠幅を含めると東西28m、南北17mあります。周濠からは滑石製の
琴柱型石製品(ことじがたせきせいひん)、臼玉(うすだま)やなど古式土師器が出土しています。

SX−2 SX−1の西側約15mの地点で方墳を検出しました。7.2mX7.6mを測る方墳でSX−1の方向とほぼ一致します。周りに幅1m、深さ20〜35cmの細い周濠が巡っています。周濠からは滑石製紡錘車(かっせきせいぼうすいしや)、碧玉製管玉(へきぎょくせいくだたま)、大型のなどが出土しています。

SX−3 調査区西隅でL字状に屈曲する溝を検出しました。一辺約4mを測る小型の方墳と思われます。周構幅は30cm〜120cmを測り、深さ約20cmを測る浅い椀状の断面形をしています。周濠内から鉄製の斧3点が出土しました。

 塚之越遺跡の墓域は東西方向に伸びる微高地に沿って次々と築造されたと思われます。遺跡西端部には弥生後期から古墳時代初頭の方形周溝墓が造営され、その東側には前方後方周溝墓がつくられています。さらにその東側に古墳時代前期末の墓域が造営されていたことが今回の調査でわかりました。
下長遺跡の衰退とともに塚之越遺跡には墓が造営されなくなります。
 下長遺跡には琵琶湖上の交通を支配した強力な権力をもつ支配者がいたことが儀杖などの遺物から想定されます。本調査で見つかった古墳は下長遺跡の衰退期にあたり、最後の有力者の墓域ではないかと推定されます。

説明文塚之越遺跡と下長遺跡調査地全体図
SX-1平面図SX-2平面図SX-3平面図琴柱形石製品資料

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