私部南遺跡 現地説明会資料

平成20年(2008年)3月15日(土)
(財)大阪府文化財センター

※このページの文、図は、すべて当日配布の現説資料からの転載です。
写真はサイト管理者湯川が撮影したものです。

私部南遺跡は、大阪府交野市私部南・向井田に所在し、南北約500m、東西約800mの範囲に広がる縄文時代から中世にかけての集落・生産遺跡として知られている遺跡です。

当センターでは、国土交通省と西日本高速道路株式会社の要請を受けて平成16年度から当遺跡内で、第二京阪道路の建設に先立つ発掘調査を始めました。これらの発掘調査では、弥生時代・古墳時代の建物跡や井戸・溝・土坑などの集落遺構、弥生時代後期から古墳時代前期初頭・古墳時代後期から飛鳥時代の水田跡、中世の水田跡などの生産遺構を検出しています。また、出土した遺物には、縄文土器や弥生土器、古墳時代から奈良時代にかけての土師器・須恵器、中世の瓦器や陶磁器などがあります。

今回、現地公開を行う場所は、「私部南遺跡(その1−2)」として平成19年2月に現地公開を行った場所の西に隣接しており、掘立柱建物群がさらに西へ広がっていることが確認できました。

この建物群は、倉庫と考えられる掘立柱建物が多く含まれることが特徴として挙げられます。また、建物の向きから大きく3時期に区分されることが推測されます。今回、竪穴建物も2棟検出しており、時期的にも近い点と立地場所が近い点から、掘立柱建物群との関連性が考えられます。

建物群の西側60mには、おおきく南北方向にのびる谷を検出しており、この谷が建物群の西端を限ると考えられます。

私部南遺跡では、現在見られる前川の前身となる河川や、この河川によって埋没した谷に区切られた集落跡が数ヶ所確認されており、今回見ていただく建物群もそのひとつです。

調査位置図
調査位置図

遺構平面図
遺構平面図

写真:4−1区 全景、子持ち勾玉、シガラミ1、槽(そう)、泥除け

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