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巨勢山古墳群 現地説明会 資料

室地区の調査條ウル神古墳の調査まとめにかえて

図 右に示したのは調査中の巨勢山563号墳です。
巨勢山古墳群の最高所という厳しい地形にあるため、今回は公開は断念しました。ただ、特筆すべきこととして、巨勢山古墳群の最高所という秀でた占地の前方後円墳でありながら、意外なことに後門部の中心主体は木棺直葬で、しかも6世紀中葉の築造であり、かつ、副葬品はわずかの鉄鏃とガラス玉や土器類を持つに過ぎませんでした。
 巨勢山古墳群の丘陵内の前方後円墳は、右図の563号墳や今回の墓地区の471号墳、あるいはかつて調査した147号墳などいずれも30〜40m級であり、同様に主体部は木棺直葬で、副葬品も意外なほど少ないという特徴を見出せます。
 これは5世紀後葉に葛城本宗家が滅亡することと大いに関係がありそうで、一方、新興の巨勢氏は急速に勢力を伸ばし、奈良盆地内とも言い得る丘陵最北の尾根先端に、條ウル神古墳を築造するに至る、という図式が描けそうです。このこと一事をとっても、総数700基という超大形群集墳、巨勢山古墳群を巡る情勢は複雑です。
 巨勢山古墳群では支群ごとに個性が見出せ、これは被葬者が広い範囲から集められた結果であるとされてきました。つまり個々の古墳1基1基が重要なわけで、私達はその保護のために最善を尽くしたいと考えています。

室地区の調査條ウル神古墳の調査まとめにかえて

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