平成18年9月2日(土曜日)
財団法人京都市埋蔵文化財研究所
場所 | 京都市西京区大原野上里南ノ町地内 |
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期間 | 2006年6月〜継続中 |
調査面積 | 約1800m2 |
調査主体 | 財団法人京都市埋蔵文化財研究所 |
今回の調査地は長岡京の北西部にあたり、長岡京右京二条三坊八町・九町の北端に近い部分にあたります。
調査は、2002年度から継続して行なっている道路新設工事(伏見向日町線)に伴うものです。今年度は、昨年度の調査地である文化センター通り(通称)から東側の道路新設予定地のA区・B区に引き続き、C区を調査をしてきました。
昨年度実施した調査(A区・B区)では、一条大路南側溝と築地状施設及びその内溝を発見しました。また、その南側では複数の掘立柱建物や井戸などが見つかっています。しかし、西三坊坊間西小路については、河川跡となっていました。
また、調査地の南東に位置する長岡第十小学校内の調査では、奈良時代から長岡京期の川や、大型の建物などが多数発見されおり、その東側の調査では、西二坊大路の側溝が見つかっています。
遺構平面図(1:400)
![]() 写真1 C区 長岡京期全景(西から) |
![]() 写真2 C3区 掘立柱建物(西から) |
![]() 写真3 一条大路・西三坊坊間小路(南西から) |
今回の調査は九町の東部分にあたります。ここでは、西の隣接調査地に続いて一条大路南側溝を見つけました。しかし、西の隣接調査地にあった築地状施設とその南側の内溝は見つかりませんでした。また、この南側にも建物はありませんでした。
現在の農道の両脇に沿って、南北の溝を2条発見しました。どちらも幅0.8m、深さ0.2m前後です。溝心々間の距離は8.3m前後です。
今回の調査地は八町の西部分にあたります。ここでは、一条大路南側溝を発見しました。九町で見られた築地状施設と同じものを調査地の東部分で見つけました。また、その南側で掘立柱建物を1棟発見しました。規模は東西5間、南北2間で柱間1.8mです。建物内部の北寄りには径0.4〜0.7m、深さ0.3m前後のすり鉢状の穴が12基並んでいます。これらは前回の調査例からも貯蔵用の甕を据え付けた痕跡と考えています。