SH-1の特異性
SH-1は、SB-9の調査過程で発見された竪穴式住居である。広さは約187平方メートルあり、日本最大級の竪穴式住居と言える。
この建物には、日本では例を見ない特異な点がある。
煉瓦状の壁
SH-1の周囲からは、無数の煉瓦状の破片が見つかった。これは40cm×30cm、厚さ約8cmぐらいで、壁を形成していたと思われる。
専門家によると、このような例は日本では見られないものの、朝鮮半島にはあるらしい。
焼かれた2層の床
SH-1を調査していると、江戸時代に何らかの理由で掘られた穴が見つかり、そこを調査すると、このSH-1の床が非常に特異であることが分かった。
まず住居をつくるのに最初深さ80cm以上掘り込み、次に厚さ約25cmの粘土を床面に貼りその上面を焼いて整え、さらに約8cmの精良な粘土を貼り高温で焼いて固めている。
さらに3層目?
SH-1のコーナーから、さらに焼かれた床の破片と思われる遺物が大量に出てきた。
このことから、さらに3層目の床が存在していたかもしれない。
今回の調査では一部しか発掘していないが、来年度は全面を掘る予定。
この建物はいったい何か?
専門科の意見は、大きく2つに別れる。
○巨大さから首長の住居か?
○煉瓦状の壁、焼き固められた床など防湿効果が高いことから、工房か?
|