TOP
配付資料
写真館
ムービー
音声ファイル
興福寺中金堂院回廊東南の調査

はじめに/中金堂院の歴史と回廊の構造回廊基壇/基壇外装と雨落溝階段と門回廊の柱間寸法と中金堂院の設計近世以降の遺構/出土遺物/おわりに興福寺略年表
図:興福寺回廊図:東面回廊 階段平面図遺構平面図既発掘区遺構全図

平城第347次調査 現場説明会資料 020831
興福寺中金堂院回廊東南の調査
法相宗大本山   興福寺
奈良文化財研究所 平城宮跡発掘調査部

階段と門

回廊平面図 石組みの雨落溝は東面回廊の最も北の柱間にあたるところだけ西側に張り出していました。さらに溝の回廊側には東西方向に据えた長方形の切石を検出しました。この切石は階段北辺の耳石(みみいし)地覆石で、溝の張り出しは階段の出に対応することがわかります(写真)。基壇外装の地覆石上面と礎石上面の高さから当時の基壇の高さを算出し、これにもとづいて階段の構造を復元してみると階段石を1段だけそなえた形を想定することができます。階段の存在によってこの位置の柱間がであることが確認できました。
 つづいて階段の南辺と考えられる位置に階段耳石地覆石の抜取穴を検出しました。階段南北の耳石地覆石間の距離をはかると奈良時代の14尺(約4.1m)となります。地覆石間の中心点と門北側の礎石の心との距離を2倍にすると、門の柱間も14尺であったことがわかります。
 『興福寺流記』や江戸時代にかかれた回廊の平面図をみると、回廊にはいくつかの門があったことがわかります。とくに東面回廊の中央近くに描かれた門の位置は階段を検出した柱間の位置とピッタリー致しました。回廊北東の調査終了後、課題として残されていた門の位置とその柱間寸法を確認することができました。

関連ページ:図:東面回廊 階段平面図

はじめに/中金堂院の歴史と回廊の構造回廊基壇/基壇外装と雨落溝階段と門回廊の柱間寸法と中金堂院の設計近世以降の遺構/出土遺物/おわりに興福寺略年表
図:興福寺回廊図:東面回廊 階段平面図遺構平面図既発掘区遺構全図

TOP
配付資料
写真館
ムービー
音声ファイル